2007年06月27日

6/26:メリーランド大学図書館東アジアセクション&プランゲ文庫

 6/26午前中。
 メリーランド大学図書館の東アジアセクション&プランゲ文庫を訪問してきましたよ。

 メリーランド大学はワシントンDCの中心部から地下鉄で約20分、バスで約5分の位置。創立約150年。
 プランゲ文庫は、日本敗戦直後の米軍占領期に、国内で出版される出版物すべてがいったんGHQで検閲を受けるために提出された(1945-1949)のですが、それがそのまま残ってこの大学にコレクションとして収まっている、というもの。

 という簡単な紹介の上で、特に印象に残ったことのあれこれ。

・キャンパスはアメリカの典型的な?郊外型キャンパスのような感じで、だだっぴろくて、芝生がばぁーっとひろがってて、天気がいい(註:天気は関係ない)。そして建物は、それぞれ中身は近代建造物であるはずのところが、外観がすべて赤レンガで統一されている。ここの様子とか、プリンストン大学(別述)の様子とかを見てると、どうもハーバード大学さんは景観政策で言えばむしろ手薄いんじゃないか、とさえ思えてくるよ。

(東アジアセクション)
・OPACは日本語検索可能。但し、日本語での検索にわりと不備はある、それは、全書誌に日本語が入ってないというだけでなく、漢字統合の問題、わかちがきのゆれの問題、システム自体の問題など。ローマ字なら網羅的に検索は可能。ただ、やっぱり理想は日本語で検索できること。
・↑そういった意味もひとつにあって、つい最近、プランゲ文庫の教育図書の目録(註:今年初めに冊子目録が出版されたもの)だけを抽出したDBを作って公開してみた(http://www.lib.umd.edu/prange/education/index.html)。これなら日本語完備で表示・検索とも可能。(註:このしなやかさは見習いたい。同じことを京大だと技術上できるかしら。他にもこのページを眺めてると、便利さという以上にホスピタリティを感じる。)
・WebCATは利用停止時間がないのがうれしい。NDL-OPACは利用停止時間がある(時差の関係で業務中に切れることになる)のがかなしい。
・大学開放日があって、近隣の子供たちなどが遊びに来る感じの日には、この東アジアセクションで折り紙・習字・切り紙などのパフォーマンスを行なう。

(プランゲ文庫)
・時期が時期だけにほとんどが酸性紙で、マイクロ化に急を要する。実際、90年代以降急速に、マイクロ化と整理と目録作成が進められている。
・climate controlもされていて、このプランゲ文庫の資料が配架されている書架と、プランゲ文庫スタッフの人のオフィスは同じ一室内になっているのだけど、室内全体を温度湿度管理している感じ。
・当時出版されたものすべてなので、古典籍資料の複製物といったものもある。
・検閲の末、違反だ削除だでひっかかったものについては別置になっている。それが、1冊丸ごとがひっかかってるなら1冊そのままが別置なんだけど、問題は1部分だけがひっかかったもので、それはそのひっかかった箇所が切り離されて、”検閲断片”として別置されている。一応そのほとんどには、本体と同じ整理番号とタイトル(ローマ字)が書き込まれている。現在はその検閲断片と本体との照合作業が進められていて、確認できたものについては、目録データベース内の(本体側の)書誌レコードに注記としてその様子が書き込まれる。結果、その”検閲断片”情報もOPACで確認できる、という按配。
・書誌レコード内(所蔵レコード内??)に注記フィールドが2つあって、1つは出版物としての注記。もう1つ(Local note)は、検閲情報(つまり資料固有の)注記。
・マイクロフィルムは当館のほかにNDLやイェンチンが所蔵。
・資料は原則マイクロ利用。で、当館でのマイクロフィルム利用はかなり自由で、東アジアセクション内で開架になっている。この東アジアセクションはメインライブラリー内の閲覧スペースのひとつであるため、ということは、このメインライブラリーが開館してさえいれば夜11時とかまでスタッフ無しで自由利用が可能。(註:一見極端?とも思えたけど、よく考えれば保存の使命も提供の使命も最大限に果たしている方法なわけで、この特殊資料の利用制限の”緩急”というのは見習うところあるな、と思った。)
・当然ながら日本からの利用が多い資料なので、デジタル化&ネット提供に魅力大ではあるが、残念ながらほとんどが著作権未切れなわけなので、不可。
・プランゲ文庫の日本からの利用者は、東日本が多い。あとは広島・九州。
・プランゲ文庫資料の利用目的の多くは、資料そのものというよりは、検閲状況をみる、ということにある。だから、同じ資料がよそにあっても、プランゲ文庫の資料がみたい、ということになる。
posted by egamihvu at 08:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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