2009年02月23日

居並ぶ論文を解体新書、の巻

 先に述べましたように。
 http://hvuday.seesaa.net/article/114221528.html
 その雑誌の中で、自分自身と内容的/スタイル的/立場的に親和性の高そうなものを数篇、ピックアップする。それをざっと読んでみる。そういうこともまた、本腰入れる前にちゃかちゃかっとやるです、という話。

 がさっと手に入れたコピーを、ばさばさっと眺めてみたよ。

 たとえば、これ。同じ職場でとてつもなくお世話になっていた大先輩の司書の人が、この業界でどうやってキャリア形成していくかというモデルのようなものを、某会、とある大学図書館関係のコミュニティを事例としてとりあげ、論考していく、というもの。
 えー、どれどれ。「はじめに」はかなり短いけど、まずキャリアとは何かというかなり大きな一般論を枕として置くことから始めておられる、と。それから、事例としての某会をとりあげて、詳細に紹介。まず概要でしょ、それから経緯、そして、具体的な活動事例としてさらに数点をころっころっと並べて述べる感じ。
 具体的活動事例のほうを読み進めていくと、思った以上に具体的かつ丁寧で、だいぶ微に入った感じになっておられる。というより、たぶんここがひとつのメインなんだな、と。まあ、あの方にぴったりの内容だし(笑)、ていう。
 さて、この事例詳述がメインかな、と思いきや、もうひとつメインがあって、今度は、キャリア形成ということの一般論的なのと、この某会の事例とを織り交ぜながら論考していく、というステージに入る。といってもなんとなくだらだら述べていくとかではなくて、3つの論考テーマを掲げ、そのひとつひとつについて、一般論的なの〜〜某会事例、という固まりをころっころっと並べ、3つ配置する、という感じ。なるほどこうすれば、自分の論説と前半の事例詳述とが分解することなく、きれいに納まってくれますなあ。さらにいうと、結構、そこにいた人にしか把握し得ないような事情についても、丁寧に述べておられるので、そういう意味での書き応えも読み応えもある感じになっておられるよ。
 あ〜、このモデルはいいな。いいパターンやな。

 次の例は、もっとシンプルというか、先の例のベース版のようなもの。
 某日本有数の国立大学の図書館員の人たちが、講習会みたいなのに集まって、webで使うプログラムみたいなのを勉強しては開発する、という活動の紹介しておられる。
 はじめに、のあとで、こちらもいったん総論的なのを枕に配置。で、こんなんに取り組みましたという実例を、ひとつ、ふたつ、みっつと続けていって計7つ、結構なボリュームですよ。
 と思ったら、やはりこちらもそれで終わるわけじゃなくて、さて次にこの会のあり方を紹介します、みたいな感じにすぅっと移行する。で、ここでもそのポイントをひとつ、ふたつ、みっつというふうにぽんぽんっと並べてって、で、エンディング、と。
 うん、こちらは、構成がシンプルだから、書く方も安定して書けるし、読む方も安心して読める、という感じがするよ。

 最初は、うわっ、こんなすごそうな原稿の中に自分のが埋もれていくのだろうか、こわいこわい、とおびえそうになるんだけど、内容的なことについてはそりゃ書いてる人の方が読んでる側よりも知ってるのはあたりまえなんで、そこを抜きにして、骨組みの方だけに光をあてて見ると、あ、そういうことなんだね、ていうのがいろいろわかって、ちょっと安心するよ。
 そういった意味での腑分けは、いろいろ良い。

 続いて、某日本有数の私立大学の人が、北米のとある国の大学図書館に約半年研修に行ったので、そこでのカタロギング業務の様子を報告する、という、まあゆったら江上の立場に一番近そうな感じのもの。
 こちらでは構成ではなくて、報告の視点みたいなのをチェックしてみましたよ。言及しているトピックは多岐にわたっていますけども、見ていると、文献資料に依拠してものを述べているとか、一般化したところから大上段に述べているとかではなくて、自身の見聞に根ざした報告。どこそこでは何々をこうしていて、これについてはこういう仕組みになっていて、それについてはこんな話を聞いてきた、という感じ。このやり方だと実に臨場感たっぷりだし、実感がわくというか、読み手側も問題を自分事としてとらえやすくなる感じがしますよね。何より、これこれはまだできてない、とか、こういう問題が残っている、とかいうマイナスの話が聞けるのもGJであるよ。これはこれであり。

 もっとも「言いたいこと言った」感を強く感じたのが、この業界では有名人で、特に最近このネタであちこちにひっぱりだこな、某日本有数の女子大学の人によるラーニング・コモンズ話。
 こう考えた、こうである、こうすべき、という言を成り立たせるだけのものがある、というのが、その「言いたいこと」よりももっともっと、丁寧かつ豊富に、文献なり、数字なり、事例なり、データなりが提示されている。それが豊富っていうのが、読んでからではなくて、紙面をぱっと見する段階でわかる、っていうくらいに。それくらいのものがあってこその、「言いたいこと」につながるんだなあ、というのが、それこそ目に見えてわかるよ。

 ほかにもまだまだいくつかに目を通しているわけなんですけども、こういうふうにして、まあ直接的にどれかをがっつり模倣するというわけではもちろんないんだけども、自分の原稿が掲載された暁にはどんな姿になっていることだろうか、というのをあらかじめイメージトレーニングしておくことで、ぐんっと落ち着いてくる、ていう効用を期待しているよ。

posted by egamihvu at 20:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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